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4-1という結果の真相

アジアカップ・グループリーグ第2戦、日本vsタイ。
日本は4-1という結果で、2戦2勝で決勝トーナメント進出を決めた。(前の試合でオマーンvsイランが引き分けだったため、勝ち点6で抜けが決まってしまった)
4-1。
結果だけ見れば、好結果であるように思える。事実、たなぼたであるとは言え、決勝トーナメント進出を決めた。
しかし、内容は決して誉められるべきではない。

先制点を取られ、セットプレーからしか得点できない。この事実こそが、ジーコに託した過ちである。
平均身長で5cm近く上回れる相手は、アジアの弱小国くらいしかない。欧州やアフリカなどは、日本よりも体格も身体能力も優れている。
失点は日本お得意のバックパスのミスから、DF陣が棒立ちになり、「ボールウォッチャー」になってしまっていた。
DFの人数は明らかに多く、敵FWの人数は少なかった。それでも中央を切り裂かれたのは、ジーコが嫌う「約束事」を決めていなかったせいではなかろうか。

『自由と放置は違う』
この言葉は、就任当時から投げかけてきた。サッカーに、いや何事にも基本を踏襲することは大事である。
日本代表の選手は、Jリーグというプロ組織の中でプレーしているプロ選手である。当然、サッカーの基本ごとは、知っているハズである。
サッカーの基本は、「数的優位」をいかに作るかにかかっている。これは、攻守両面で言えることである。
だが、この日の日本は、「数的優位」の状態から失点しまったのである。それは、もう一つの基本である、「声」が足りていなかったのではないだろうか?
三都主と加地が守備をしないのはわかりきっていることである。かと言って、この場面では、パスミスからの流れで、中盤が戻りきれていなかった。(もしかしたら、MFの選手には人数は揃ってるから、大丈夫だろうという甘い考えもあったかもしれないが)
3バックの3人も揃っていた。だったら、原因は「声」である。サッカーの基本は「数的優位」だと言ったが、ココで数的優位を生かすために、「一人が当たって、一人がカバーする」という原則が必要である。
どういうことかというと、1対2の局面を作るだけではなく、一人が相手の選手に当たりにいき、ボールを獲りにいく。そして、もう一人の選手が、そのカバーをすることにより、相手選手に抜かれた時や、ボールがルーズボールになった時に対処できるようになるのだ。
それを作るのが「声」である。簡単に言えば、宮本、川口あたりが、「中澤当たりにいけ」などの一言ですむのである。

サッカーって野球と違い、同じ選手ばかりを並べても成り立たないスポーツだと思う。
巨人のように4番打者を並べればイイというもんではない。
むしろ、サッカーには相対する選手が、コンビを確立したときに、1+1=2ではなく、1+1=3にも4にもなっていくスポーツである。
それは、サッカーというスポーツが局面局面で状況が変わるからである。
今の日本は、同じタイプの選手を並べている。
例えばウィングバック。「守備ができない、縦に突破できない」二人でやっている。これでは、守備の負担も、攻撃の負担も増えるばかりである。
3バックにしてもそう。宮本と田中誠は、スイーパータイプの選手である。中澤だけがストッパータイプだから、なんとか成り立てそうだが、理想は1リベロ、2ストッパーなのではないだろうか。
ボランチの二人もそうである。福西と遠藤は、どちらも対人に強いタイプである(ボール奪取の方法は違うが)。運動量豊富で走り回るダイナモタイプや、ルーズボールを拾うタイプのボランチなどが必要なのではないか。
FWもそうである。なぜか玉田は、自分の最大の武器(だと思われる)、スピードを全く生かそうとしていない。
あまりにも飛び出しが少ないのである。かといって、真ん中に残って体を張れるかというとそうでもない。

結局、2年前と同じであり、何も進歩していない。
たしかに、アジアのレベルは数年前よりも上がってきている。だが、日本のレベルは上がっているのだろうか?
オマーンやレバノンなど、確実に進歩が見られる。
それに比べて、かつてはアジアのトップクラスと言われてきた、サウジアラビア、UAE、韓国、日本は停滞してきているのではないだろうか?
中国がトップレベルに到達するまでには、まだ10年以上はかかる。それよりも脅威なのは、再び力をつけてきたウズベキスタンや、オマーン、レバノンに代表される第2中東勢力なのではないだろうか。

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