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常勝・磐田・没落1

 02年、史上初の年間両ステージ制覇を果たし、03年、年間・両ステージともに2位、天皇杯制覇のジュビロ磐田が今シーズン何かおかしい。
04シーズン1stステージは、開幕ダッシュに成功。第9節まで、7勝1分1敗。この時点では、ダントツの首位だった。
だが、第10節。昨シーズン年間優勝を果たした、横浜FMに負けて歯車が狂った。いや、正確には、それ以前から破局への予兆は存在した。

 たぶん、ココで多くの人は気づくであろう、「過密日程」の問題。ココではそれは”完全な正解”ではない。なぜならば、横浜FMは、さらに過密な日程を戦っているのだから。
ココでの予兆は、数字に表れている。その数字は、ズバリ『5』(9月5日現在)
この数字、今シーズン磐田が戦った、リーグ戦、ACL、ナビスコ全ての公式戦での、完封試合数。つまりは、失点を0に抑えた試合数である。
つまり守備が崩壊しているのである。守備の崩壊=DF陣の責任ではないが、磐田の場合は、大部分がDF陣の責任にあたる。
たしかに、前線からのチェイシングや中盤でのプレスのかけ方など、一概に全てをDF陣のせいにはできないが、今の磐田の場合は、ほとんどが1対1で抜かれ、並のGKなら防げる失点が多いのだ。

 おさらいだが、磐田DFラインの基本は、3バックである。流れの中で何度か4バックを試したことはあるが、3バックが99%以上を占めるであろう。
さらに近年、出場停止や代表、ケガなどの離脱を除けば、スイーパーに田中誠を配置し、左右に鈴木秀、山西(菊地)を置くのが基本である。
ところが、このDFライン最大の欠点は、高さがないことである。さらには、スピード系のストッパーとして名をはせていた鈴木秀は、年齢による衰えで簡単にマークを外される始末。もちろん、衰えは田中誠のカバー能力にも見える。
GKに至っては、近年全く安定しない。ヴァンズワム、山本、佐藤洋。前者2名は既に磐田を去ったが、現在の正GK佐藤洋も、しょせんは2流クラスのGK。常勝軍団としては、いささか頼りない存在である。

 磐田は新人選手以外の補強を、あまり積極的に利用するチームではない。そのツケが今やってきているのである。何年も同じ面子で、競争意識が欠如しているのである。若手は伸び悩み、中堅はクビを切られる。監督はベテランのみを起用し、大胆な構造改革に着手しない。
「日本人のみで最強軍団を形成する」という、究極の目標はあるにせよ、今現在、それができるかと言えば不可能である。
横浜FMは、かつて悲壮なるまでに若手への切り替えを図った。ベテランであった、井原、小村を放出し、松田やユース上がりの選手を中心にすえて、中澤などの若手を積極的に補強し、使い続けてきた。これにより、90年代の後半は、降格の足音さえ聞こえていたが、03年の両ステージ制覇、04年の3ステージ連続優勝に繋がった。

 今の磐田は、中堅の世代が決定的に欠如している。ベテランは名波、藤田、服部など、若手もU-23組だった前田、菊地、成岡などいるが、中堅の世代になると、西、河村くらいなものだ。サッカー選手として、絶頂期を迎え始める24~28歳くらいの選手が居ないのである。
そこで、思い切って若手に切り替えようと、来シーズン6人ものユース選手の昇格を内定している。だが、今居る戦力の中にも埋もれている選手が居るのを忘れてはならない。

以下、続く予定。

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