カズがカズであるために
先日発表された日本代表。
某ブラジル人監督が、言っていた「功労者」の召集は見送られた。
私は以前に、反対の立場を主張した。
その主張で、「若手にチャンスを与えてほしい」と願った。
だが、発表されたメンバーを見て、憤りを感じた。
大久保の復帰以外、目新しさを感じない。それと三浦(淳)なんて試合出てねーじゃん。
これだったら、見る価値などない、ただの消化試合になってしまう。
そして、その「功労者」の一人と見られていたのが、ご存知カズこと三浦知良だ。
代表発表後のカズのコメント
このコメントを見て涙を流さずにはいられなかった。
「選ばれなくても努力を続けていく。
やることは変わらない」
なぜカズは人々を魅了するのだろうか?
もちろん昨今叫ばれている「決定力」も、もちろんだが、やはり「人間性」ではないだろうか?
日本サッカー界の冬の時代に、日本の反対側のブラジルで15歳で渡り、プロとして活躍し、カズが戻ってきたのが、まだ「Jリーグ」が誕生する前、水面下でプロ化の動きはあったものの、具体的に参加するチームも決まっていない時だった。
あれから、15年・・・
日本サッカーの飛躍は、カズの歴史でもあったと言っても過言ではない。
多分、オレらより年上の世代には、こう主張する人間がいるだろう。
「日本最高のストライカーは釜本だ」
しかし、実際問題として、釜本が相手にしていたのは、アマチュア、アジアなどだ。
だが、カズが相手にしてきたのは、プロ、世界である。
FIFA公認の日本代表Aマッチ最多得点者(2004/11現在)は、紛れもなくカズなのだ。
カズが人々を魅了するのは、本場ブラジルのエンターテイメント性を、日本に持ち込んだからである。
もちろん、技術的にも、日本でカズ以上のストライカーは存在しないし、恐らく、次のW杯までに現れる可能性も極めて少ない。
「カズダンス」と呼ばれる華やかなステップもだし、MVPを受賞したときの風船etc....
エンターテイメントだけで見れば、水内や、森など多数登場したが、実績を伴った選手となると数少ない。
そして何よりも、『エース』の風格がある。
具体的に『エース』とはなにか?
FW?ゴールを量産する?
答えはどちらも「NO」だ。
『エース』の条件は、「風格(存在感、威圧感)」である。
例えば、ゴールを量産するタイプとしては、武田修宏というポイントゲッターがかつて居た。
「ごっつぁんゴール」という言葉も生んだ彼のプレイスタイル。
だが、Jリーグ通算得点で90点以上をたたき出し、代表としても日の丸を着けた彼を、「エース」と呼んだ人はいるだろうか?
カズには、それだけの風格があるのである。
人々ともに熱狂し、涙したことが、彼の風格を形成したと思う。
他に「エース」と呼ばれた選手として、福田正博、中山雅史などが思い浮かぶ。
例えば福田の場合、ケガで長期離脱をし、チームは万年最下位。J2への降格さえ味わった。
そんな時代風景みたいなものが、彼を誰もが認める「浦和のエース」にしたと思う。
もちろん得点王という実績も積み重ねて。
いいか?お前ら。「口だけのエース」なんて、もういらねーんだよ。
カズがカズたる所以を今こそ感じろ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
カズがえらいのは、
ブラジルで無名からがんばったこと。
彼以後、ブラジルには沢山渡ったけど、
観光なのかな?
短期留学ばかりかな。
投稿: Sao Paulo | 2004.11.08 11:12
ブラジル国内だけで評価されている選手としては、橋本幸一や富樫英輝など居ますが、他は短期留学というか居ても1,2年くらいなんじゃないかな。
まぁ、代表クラスになると、やはりカズだけになってしまう。
投稿: VTOL | 2004.11.08 20:07